学校改革推進部長(ソーシャルデザインラボ所長)講話2018

学校改革推進部長の加藤です。
学校改革推進部長って、何?
革命でも起こす気?
って思ったかもしれません。
ですが、私はナポレオンでも、織田信長でもありません。
私たちがやろうしていることは、○○高校を改革することです。
改革とは、改善することです。
つまり、○○高校の良いところを生かして、○○高校を進化させることです。
3月の修了式で、私は君たちに「変われ」というメッセージを伝えました。
でも、ずるいですよね。
君たちだけ変われだんて。
だから、私たち大人、そして、学校も変わることにしました。
なぜ変わる必要があるのかを説明するのは野暮ですね。
もう耳にタコができるほど聞いているでしょうが、念のため繰り返します。
AIの発達やIoTの進展によって社会が急激に変化しているからです。
それは第四次産業革命とよばれるほどの大きなインパクトを社会に与えるものです。
その急激に変化する社会に通用する力を育てることが、学校改革推進部に課せられた使命です。
もう一度、言います。
学校改革推進部は、社会に通じる生徒を育てます。

でも、学校改革推進部って、いかついですよね。
私もあまり好きじゃない。
だから、愛称を考えました。
ソーシャルデザインラボです。
ソーシャルとは、社会という意味です。
社会に通じる人を育てるのだから、必要不可欠なワードです。
では、デザインとは何でしょう。
デザインとは単に絵を描くことではなく、異なる概念を組み合わせて新しい価値を創造することです。
このデザインという発想に基づいて開発された、誰でも知っているゲーム機があります。
ゲームしていて親に怒られたことはありませんか?
やれ「ゲームは1日1時間まで」だの、やれ「ゲームばっかしとらんで勉強せい」だの、私もしょっちゅう怒られていました。
ましてや、ゲームをしていて褒められたことなど一度もありません。
しかし、当たり前ですが、親にも親の事情があって、君たちの将来を心配して勉強しろというのです。
結局、本来楽しいはずのゲームなのに、ゲーム機があることで子どもと親の関係が悪化してしまう。
そこで任天堂は考えました。
双方の思惑が対立する子どもと親、その両方が楽しめるゲーム機を作ろう。
そうして誕生したのがWiiです。
Wiiは家族で遊べるゲーム機という、これまでにはなかった新しい価値を生み出したのです。

ソーシャルデザインラボがやろうとしていることは、まさにこれです。
これまで学力とは無関係だと思われていた学校行事や部活動、清掃活動、そうした日常の学校生活を学力と結びつけます。
目的意識をもって行動できる○○高校生を育てることが、学校改革推進部(ソーシャルデザインラボ)の最初の仕事です。
誤解しないでください。
学校行事などを大幅にリニューアルするわけではありません。
ましてや、体育祭で英単語を覚えながら走れと言っているわけでもありません。
意識を変えるのです。
これも、3月の修了式で話をしましたが、ケネディ大統領がNASAで用務員に何をしているか尋ねると、「大統領、私は人類を月に運ぶ手伝いをしています」と答えたというエピソードです。
この用務員は、ただ掃除をしているだけの用務員より、きっと偉大な仕事を成し遂げるでしょう。
なぜなら、目的意識をもって仕事をしているからです。
目的意識をもつだけで、何気ない日常が学びの場へと変わるのです。
「体育祭を通じて、学年を超えた集団で協働する力を高める。」
「今までやったことのないボランティアに参加することで、挑戦する力を高める。」
これまで無意識にやってきたことを、これからは意識的に、そして主体的に、やるのです。
勉強も同じでしたね。
授業で与えられた課題をやっているだけでは、学力は向上しません。
主体的に学んだ者だけが自分を超えることができるのです。
○○高校では、社会に通じる人になるために、”人を思いやる力””人とつながる力””協働する力””挑戦する力””未来とつながる力””知識を活用する力”の6つの力を、すべての教育活動で意識的に育てていきます。
これからの人生において○○高校で学んだということが財産になるはずです、私たち教員はそう信じて変わる決意をしました。

一緒に変わっていきましょう。