違和感

ハインリッヒの法則とは、「1件の重大事故の裏には29件の軽微な事故と300件の怪我に至らない事故(ヒヤリハット)がある」という労働災害における経験則であるが、ここんとこ、正確に言うと担任するようになったこの1年で、ささいな“違和感”がトラブルや事件…

YouTubeな時代

一昔前は大騒ぎし、だいぶこすられましたが、今やユーチューバーがなりたい職業にランクインしても全く不思議なことではなくなりました。それどころかついにユーチューバーが小学生男子の将来つきたい職業ランキング1位※1に輝きました。そもそもユーチュー…

学校改革のレクイエム

紆余曲折だらけだったものの、この3年間学校改革という大仕事に取り組んだ総括というと大げさだが、教訓として学んだことを後進のために残したいと思う。(なんだか遺言みたいですね) 「未来をつくる仕事」(2018.8.25)でその初心が語られている。「教師とは…

最終講義「自立し、ともに学び続ける」

ついに、君たちともお別れの時がきました。思い返せば、共通テストから始まり、コロナによる一斉休校という前代未聞の、まさに波乱万丈な3年間でした。個人的には、“総合的な学習の時間”のプロデューサーとして、コンピテンシーの育成※1という難題に挑戦し…

対話のすゝめ

忘れられない出来事がある。 五年ほど前の話になるが、事件は定例の部長会議で起きた。 事件は現場で起きているんじゃない。会議室で起きているんだ! 表面的には大人の付き合いを続けていたが、腹の底ではいがみ合い、陰で悪口を言い合っている2人の部長が…

ブラック校則問題

学生時分の話になるが、バイトが校則で禁止されていることに強い違和感をもっていた。現に私は学校に隠れてバイトをしていたのだが、学校では学ぶことができなかった社会性、主体性やコミュニケーション能力など多くの資質・能力をバイトを通じてトレーニン…

お稽古ごと

50m自由形38.37 100m個人メドレー1:50.68 これは、先日のマスターズ水泳の私のタイムである。ごくごく平凡な記録にすぎないが、2年前までは背泳ぎもバタフライも泳げなかった私にとっては、輝かしい記録だ。 50m自由形は、緊張のせいか、カラダがフワフワし…

わかりあえないことから

「生徒は別の惑星の生き物だと思え」 最近では呪文のように心の中でこう唱えている。“惑星”は言い過ぎかもしれないが、少なくとも彼らは、我々が育ってきた世界とは全く違う世界の中で生きている。はた目には同じ世界で生活しているように見えるが、いまや誰…

ウィズコロナ

マスク必着の授業。※1準備体操のない水泳教室。※2入場制限されたジム。無観客のプロ野球。 アスリートまがいの生活をしていた私にとって致命的なことは、泳げなくなったことと筋トレを制限されたことで、ライフサイクルは一変した。※3もちろん、最大の衝…

アフターコロナ

在宅勤務が唐突に始まった。青天の霹靂とはこのことで、理念もへったくれもありゃしない、ただ「緊急事態だから」とだけしか説明されなかった。つまり、今後の見通しはおろか、オンライン環境さえ整わないなかでの見切り発車なので実質的にはただの放牧であ…

ポストコロナ

コロナは序章に過ぎず、われわれは今、時代の転換点に立たされている。コロナ以前・以後の世界は全く異なったものとなり、コロナ以前と同じ世界は戻ってくることは二度とない。あたかもコロナが未曾有の危機であるかのような錯覚に陥っているが、歴史を紐解…

ダイアローグ・イン・ザ・ダーク

鷲田清一さんが『おとなの背中』で、知的障害のある児童のアート作品の制作を支援している知人の話を紹介していた。 夢中になって描いた絵に「すごい」「びっくりした」と声をあげると、その子はそれとは違った絵を次々に描いてくれる。ところが、絵ができて…

ガッコウノワール

年の瀬、#忘年会スルーが話題となったが、先立つこと3年、卒業を祝う会スルーを始めた。本年度も出席するつもりはないので、4回目の卒業を祝う会スルーは確定的である。※1勘違いしないでほしいのは、職場の飲み会そのものを否定しているわけではなく、げ…

オードリー

このブログでは何度も書いているが、私はかれこれリスナー歴6年になるヘビーリトルトゥース※1である。しかし、現実世界でオードリーのファンであることを明かすと、100%に近い確率で「なぜ?」というリアクションをされる。それほどの熱量をオードリー…

マスターズ

マスターズ選手権に出場した。マスターズといっても、もちろんゴルフの大会のことではない。「LIFE SHIFT」やトライアスロンシリーズでお察しの通り、ここんとこ私は水泳にのめり込んでいる。84歳のおじいちゃんを紹介したように、生涯スポーツで…

トライアスロンをやってみた

トライアスロンを始める前に、と言っておきながら全然始まらず申し訳ございません。トライアスロンはもう終わっているのですが、ブログをなおざりにして、トレーニングに明け暮れていました。朝10km走り、昼間ジムで筋トレ、夜プールで2kmスイムなんて日もあ…

トライアスロンを始める前に

まだいよ線※1を片足跨ぐ年齢になったが、全く実感がない。中身が20代から大して変化していないからだろう。だけれども、当たり前だが時が止まることはない。過ぎゆく時間を懐古するのはまだ早いと言われるが、30代があっという間に終わろうとしている。おそ…

カメラを止めるな

2018年を代表する映画と問われて、『カメラを止めるな』と答えても多くの人が納得するだろう。流行語大賞にノミネートされたし、日本の映画界における最高権威であるアカデミー賞でも編集賞を受賞したくらいの作品だから、名実ともに2018年を代表する映画と…

謙虚なリトルトゥース

私は「オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー」をわざわざ日本武道館まで見に行くほどの、正真正銘のリトルトゥース※1である。 好きが高じて他のメディアの番組や作品などもチェックするようになったが、たまたま若林がMCを務める『激レアさ…

変わりゆく世界、変わらない教育

卒業式シーズン到来。 前途ある若者たちの門出を祝福するめでたい日のはずですが、年々心穏やかにやり過ごすことができにくくなってきました。なぜなら、そこに映し出される光景は日本の教育が抱える宿痾そのものだからです。 卒業式が終わると、教員や来賓…

追悼橋本治

師匠が亡くなった。師匠と言っても僕が勝手にそう呼んでいるだけで、当人はご存知ない(はず)。そんな一度もお会いしたことはない方をどうして師匠と呼ぶに至ったのか、それはすこしややこしい話になる。けれど、ややこしい話は師匠の十八番だったので、弔…

最終講義「日本(世界)はこれからどのような道を歩むのか」

今日で君たちの前で授業するのも最後となりました。最終講義などと仰々しい表題を掲げてみましたが、一度使ってみたかっただけです。私から君たちに贈るささやかなエールだと思って聞いて下さい。 日本(世界)はこれからどのような道を歩むのか?すでに始業…

ヴィパッサナー 〜エピローグ〜

11日ぶりにスマホの電源を入れると、指が思うように動かない。 この体験が風化する前に記録せねばとペンを握るが、思うように文字が書けない。 まるで身体が文明を拒絶しているかのようで、すっかり原始生活に順応してしまった。辛かったけれど、贅沢な時間…

ヴィパッサナー 〜Something in the Way〜

「この境地に達した時、やっとこの苦行のなかに平静さを取り戻すことができるようになった。」 なんてカッコイイことを言ってみたものの、いまだ背中にはヘタレの象徴であるクッションが挟まれている。 そんなヘタレが何を言おうと全く説得力はなかろう。 と…

ヴィパッサナー 〜”アニッチャー”をめぐる冒険〜

修行が始まる前、そして始まってからもずっとあることが気になっていた。 それは、”アニッチャー”である。 ヴィパッサナーに行く前日に例の親友に電話すると、 「先入観を与えたくないから何も言わない。ただし、1つだけ言っておく。”アニッチャー”という言…

学校改革推進部長(ソーシャルデザインラボ所長)講話2019

ヴィパッサナーシリーズを小休止して、いつもの講話を1回はさみます。 あけましておめでとうございます。 今年はすぐにもう一回「あけましておめでとうございます。」と言わなければなりません。 何のことかわかりますか? 去年から耳にタコができるほど聞か…

ヴィパッサナー 〜まだまだ始まらないヴィパッサナー〜

いきなりやらかしてしまった。 時計をみると、5時半をまわっていた。 これが何を意味するかというと、最初の瞑想タイムをすっぽかしたということだ。 というのも、基本的な瞑想のプログラムは以下の通りで、※14時〜4時30分 起床 4時30分〜6時30分 個人瞑想 …

ヴィパッサナー 〜1日目かと思いきやまさかの1日にカウントされていない初日の記録〜

まず最初に、「ヴィパッサナーって何?」という人のために、ヴィパッサナーについてネットの力を借りてまとめておきます。 日本ヴィパッサナー協会によると、ヴィパッサナーとは「ものごとをありのままに見る」ための、インドの最も古い瞑想法のひとつです。…

ヴィパッサナー 〜プロローグ〜

人生とは数奇なものである。 15年前のインドでの約束を果たす時がまさか来ようとは。途切れ途切れのか細い記憶の糸をたどると、あれは、大学4年生の時に訪れたインドのガンジス河の夕暮れ時だったと思う。 記録的な大雨のせいでバラナシでの足止めをくらい…

LIFE SHIFT

実は8月から週1で水泳教室に通っている。 ジムではなく、れっきとしたコーチのいる水泳専門の教室だ。 水泳教室なんて子どもが通う場所に、40歳を間近に控えたおっさんがなぜ?と皆に驚かれる。 そりゃそうだ。 自分が一番驚いているのだから。きっかけ…