進路部長講話〜其之壱〜

いきなりですが、みなさんにいくつかの質問してみたいと思います。
こういう場面で自分の意思をあらわすことができる子はすごい人です。
最初にそれを言っておきますね。

勉強が好きな人は手を挙げてください。
(数人ためらっているそぶり、数人の教員が手を挙げていた)

勉強が嫌いな人は手を挙げてください。
(ほぼ全員が手を挙げる)
担任の先生方、この光景を目に焼き付けておいてください(笑)

じゃあ、もう一つ質問してみたいと思います。
成績が良かったらうれしい人、手を挙げてください。
(ほぼ全員が手を挙げる)

念のため、聞いてみます。
成績が良かったら悲しい人、手を挙げてください。
(誰も手を挙げない)

あれ、おかしくありませんか?
勉強が嫌いなのに、成績が良かったら嬉しいって。
勉強しなければ、成績は上がらないのに、勉強は嫌いなんて。

みなさんはこう考えていませんか?
ノーベンはカッコいいって。
つまり、最小限の努力で最大限の成果を得ようとするコスパを追求するカッコ悪い価値観に支配されているのです。
ただ、○○高校では、他の学校ではカッコ悪いと考えられていることをカッコ良くできる学校なんです。
身だしなみができる生徒はカッコいい。
挨拶できる生徒はカッコいい。
学校行事に一生懸命になれる生徒はカッコいい。
これは素晴らしいことです。
今年からは、ここにもう1つ新しい価値観を付け加えてほしい。
“勉強することはカッコいい”という価値観を。
そして、君たちならできると考えています。

でも、勉強が嫌いというように、勉強は辛いですね。
私は、最近プロレスにハマってます。
そして、プロレスからたくさんのことを学んできました。
その中のひとつに、プロレスでは、相手を一撃で倒すことはカッコ悪いことなんです。
プロレスのカッコ良さとは、痛みに耐えて、耐えて、耐えて抜いて、相手を凌駕することです。
そうしたレスラーの姿に感動するのです。
勉強も同じです。
辛い勉強に、耐えて、耐えて、耐えて抜いて勝ち取った合格手形は最高です。
皆さんも経験したことがあるでしょう。
想像してみて下さい。
定期考査を終えた日の解放感を。
あの何十倍、何百倍もの感動を勉強でも手に入れることができるのです。
卒業生の中には、公募制入試に落ち、一般入試にも何度も落ち、3月の一般後期試験で合格を勝ち取った生徒がいます。
浪人生の中には、模試のE判定を見るたびに吐いた生徒が、念願の志望校に合格しました。
2人とも、苦しみに耐えるなかで、別人のようにたくましくなりました。
そうカッコよくなったのです。
君たちもそういう経験を経て、カッコ良くなってほしく思います。

そうはいっても、何から始めたらいいのかわからないという人もいるでしょう。
ラクビー日本代表の監督エディ・ジョーンズはこう言っていました。
「ほんの3〜5%の小さな意識の変化が、大きな違いを生む」と。
ラクビー日本代表がやってきたというのは、革命的なことをやったわけではありません。
足の角度をたった1°変えてみたり、パスを1cm遠くに投げるといった小さなことを積み重ねてきたのです。
その積み重ねが、W杯での日本代表の活躍につながったのです。
君たちも小さな意識を変えてほしい。
話を最初の質問に戻します。
勉強は辛い。
でも、成績が良かったらハッピー、幸せ。
この辛いという漢字と幸せという漢字を思い浮かべてください。
想像できましたか?
辛と幸、何が違うでしょうか?
たった一画違うだけです。
辛に一を加えると、幸せになるのです。
2年生の皆さんは、辛い勉強に1つ得意科目をつくってください。
それが受験のとき、あなたの身を救ってくれます。
そして、自信をもって受験勉強に向かうことができます。
3年生になってからは遅いのです。
3年生の皆さん。
矛盾するようですが、幸せから一をとってみてください。
辛くなります。
1科目でも苦手科目があると、受験の選択の幅が狭まるだけでなく、最後まで受験で苦しむことになります。
苦手科目があると、成績がなかなか伸びません。
苦手科目克服に向け、今すぐ動き出してください。

それでも、勉強は辛いですね。
なぜなら孤独だからです。
ご安心ください。(とにかく明るい安村風)
「早く行きたいならひとりで行きなさい。遠くに行きたいならみんなで行きなさい」というアフリカのことわざにあるように、受験や勉強は団体戦です。
一人で戦っている訳ではありません。
○○高校のカッコ良さの1つである、団結力があります。
仲間がいます。
仲間がいるから頑張れる。
仲間と一緒に戦うことで、進路実現という大きな壁を乗り越えていきましょう。

最後に、進路指導部では「進路通信」という、進路実現に向けて何をすべきか、何を意識しなければいけないかといった、カッコよくなる極意を定期的に発信しています。
積極的に活用してほしいと思います。
カッコいい○○高校生が増えることを期待して進路部長の講話とさせていただきます。